スカルラッティ その3

スカルラッティ その3です

実際に彼の作品をチェンバロで練習すると困る事があります。

それは、チェンバロの音域。

通常、チェンバロでは低音がFFといわれるファの音で上がfffといわれるファまでが、フルサイズ的に考えられます。これは、18世紀フレンチをひとまず一番大きな楽器ととらえるからですが。

しかし、スカルラッティの作品には、その一つ上のソが時々登場するのです。

低音は下のファが出てくることはありません。

とすると、彼が使用していた楽器(バルバラ王女がスペイン宮廷で所有していた楽器)は高音がソまであって、低音はソまでのものであったと想定できます。

イタリアン・タイプの楽器では、最初は音域はとても少ないものでした(Cといわれるド~cccのドまで)。2段鍵盤は作られずに、18世紀には音域の拡張が行われたのですね。

その拡張されたものはイタリア、スペインに残っているそうです。特別なタイプのチェンバロをいわれます。それを持っていたのでしょう。

また、そのチェンバロを使って、中だけ、弦をハンマーで打つ、そしてフォルテとピアノ(つまり強弱)が出せるチェンバロという楽器を作り出したのが、フィレンツェの楽器職人クリストフォリ氏でした。

この発明品をバルバラ王女は大変気に入ったそうです。

スカルラッティが好んだかどうかは不明です。

音域の大きなイタリアンは梅岡楽器サーヴィスさんが所有しているスコヴォロネク作のこの楽器があります。3月にはこの楽器を使用してのコンサートに出ます。

で、クリストフォリの作った「フォルテもピアノも出せるチェンバロ」はこれです。



見た目が良く似てますね。

この後、ドイツ(オーストリア含む)やイギリスで今の形に試行錯誤しながらピアノが変化していくのです。

楽器と作曲家はとても密接ですね。ヒントが隠されている時もありますよ・・・。

・・・・支離滅裂間満載の記事になってしましました。申し訳ない。



コメント

スカルラッティ その3 — 2件のコメント

  1. まだ聞けてないんですが、聞いたらご報告しますね。デュッセルドルフの市立図書館では相当なCDや楽譜が揃ってていろいろ借りられるので、そのうちに物色してこようと思ってます。3月にお使いになるというチェンバロ、これまでネコタマメイさんのブログで見たものと比べてすごくシンプル!素朴な感じもしますね。音はどうなんでしょう?

  2. お久しぶりです。めぎさん。
    今日ようやくブログを書きました。花粉症でダウンしています・・・。
    このチェンバロは現代名工といわれるスコヴロネック氏の作で、音はすばらしいのですが、外見にはまったく構わない方のようです。この楽器に使われているねじなど、そこら辺の普通の工具店でも手に入りそうなもので、え~!と思ってしまうほどなんですよ。

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