この数週間

私が属し、代表をしている古楽研究会は東京の池袋近くに、事務所、練習室、そして2年前にオープンした「スペース1F]という名の、響きの良いスペースがある。

そこで、最近は良く古楽器のマスタークラスも開かれ、多くの方々が集まるようになってきた。

壁はやわらかな色彩で、2台のチェンバロと1台のフォルテピアノを常備し、練習スタジオとしても機能している。

チェンバロとハープ.jpgこれはハープを運び入れた時の画像

この中で練習していると、ときおり、ガサ・・・っと音が聞こえるようになったのが数週間前。その後は、注意しているとミ~ミ~という鳴き声が壁の中からしてくるようになった。

 

この後は少しショッキングなことなので、気持ちを悪くしたらごめんなさい。でも、なんだか書かずにいられません。素通りOKです。

この場所はもともと自動車修理工場だった3階建てのビルを購入して、改装したのだけれど、どこかに猫の出入口があり、内部(壁と壁の間)で子供を産んだのだろう。音を出すスペースなので、もともとの建物の中にもうひとつ部屋を入れた構造になっていて、部屋外側の壁と中の壁には少し空間があるつくりになっている。その中に入ったのだろう。

まだは入口が特定出来ない時に、そして入口を特定してふさぐ前に壁から子猫を出すことは、その子猫を保護しなければならないし親猫はまだ入ってくるだろうし・・・ということで、とにかく建物を施行した工務店に来てもらうことにした。

実際の作業に携わった人が来たのはその5日後。入口を特定できたので、どのように救出するか考えてから連絡をするということになったのだが、その特定をした際に、親猫らしき猫に遭遇したそうで、子猫を2匹連れていたそうだ。ということはもう大きくなって外に出るかもしれない・・・と、思ったのは束の間、中からか細い声がしてくる。それも、泣くごとに弱弱しくなっていく。・・・・親に見捨てられたのかもしれない。そこで、工務店の方に、もうすぐに救出してほしいと連絡を取り、必要があれば、しょうがなければ、(本当は困るのだけれど・・・)スパース内部の壁を一部壊しても良いと伝えた。

そして今日、救出作戦が行われた。私は立ち会えなかったので、報告を聞いたのをまとめてみます。

     猫取り出し穴縮小.jpg

朝9時にスタート。やはり中の壁を壊さないといけないことが判明。まず、良く鳴き声が聞こえたあたりを開けてみる・・・・

と、そこには、変わり果てた子猫が2体。あ~遅かったか・・・と思った瞬間右側から声が。

良く見ると小さな子猫が鳴いていた。また、その付近の壁をあけ、ようやくその子を出した。弱っていて、歩けない。

段ボールへ入れて、様子を見、水分や半固形の食べ物を口に運んでみる。少し、水を飲んだものの、数時間後に、一言鳴いて、力つきたそうだ・・・。かわいそう。

何だか、その報告を聞きながら、こちらも力が抜けていく。でも、救出して良かった。このままでは、その中で朽ち果てていくところだったのだと自分に言い聞かせ、その後、穴をどうやってふさぐか、工事費をどう捻出するか、出入口はどうやってふさいでいるのか、など、立ち会ってくれた方と相談をつづけた。

この建物の周りには以前から野良猫を多く見かけていたが、自分の関係する建物に入り込んでいるなんて考えもつかなかった。今日はその子猫に合掌するのみだ。猫好きな私・・・ちょいとつらいです。


コメント

この数週間 — 10件のコメント

  1. 本当にかわいそうですね。
    暗いところで頑張っていたのですね。
    ネコタマメイさんのお気持ちもよくわかります。

  2. nyankomeさん
    かわいそうでなりません・・・。最初にどうやってこのあたりに住みついたネコちゃんなのか。猫に罪はないですからね・・・。

  3. スザンナさん
    今でも、その子猫が目に浮かびます。リアルタイムで画像を送ってもらっていたもので・・・。元気に育っている子猫もそのままだと野良猫、保護してどなたかに飼っていただこうかと考え始めました。

  4. めぎさん
    誰に何に、この気持ちをぶつければ良いか分からず、思わず書いてしまいました。気の毒ですね。でも、修繕費に30万近くかかりそうです・・・泣。

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