この間、くせものアーティキュレーションについて書いた。
今日はフレージングについて。
これを辞書で調べると、言葉使い、言い回し、表現法・・・とある。
これも、チェンバロを演奏する上で大事な事である。
チェンバロを最初に習うとアーティキュレーションに気を取られるあまり、フレーズのことまで頭が回らなくなる。
すると、抑揚のない、電子の声のような演奏になる。それぞれの言葉の意味は明確だが、どこで、文章が切れ、肯定なのか、否定なのか、疑問形なのか分かりにくくなる。
コンピューターの言い方をまねして話してみれば良く分かる。
「今日・は・良い・天気・なので・朝・から・洗濯・を・するつもりだけれど・雨・が・ふる・かもしれない・ので・やめたほうが・良い」
これは、このままではこの人の考えだと思ってしまう。
が、これは、本当は疑問形かもしれない。
この答えは、和音にある。
和音のつながって出来たものをカデンツ(終止形)というが、この連結によって出来る音の流れが答えをくれる。
難しくなるが、終止の形にはいくつかある。
1.完全終止
2.アーメン終止(変格終止)
3.半終止
1と2は主となる和音で終わるので、文でいえば肯定の形。
3は属音という、いわば中途半端な和音で終わるので、これは疑問形となる。
というように、文の流れつまり、句読点の場所と文の形(肯定か疑問か)を、掴んだ上で、初めて文章の切れ目と意味が明確になり、この流れを音楽の上で行うのがフレージングという。
アーティキュレーションとフレージングを意識して、自然な抑揚をつけて演奏する事を「テンポのドライブ」といったりするが、これが、演奏上の重要な事となる。
この2つが、うまく絡んだ時に、すばらしい演奏が生まれる。
と私は思う。 また、難しい話でごめんなさい。
終止のお話、大学時代に(専門は数学ですが)とった和声法の授業を思い出しました。アーティキュレーションとフレージング、これがしっかりしていないと違う音楽に聞こえるのは分かっているのですが…。
リュートを弾くようになってたびたび登場するヘミオラ、よく見落として指摘されます。(^_^;)
nyankomeさん
ヘミオラも、あまりはっきりやると趣味悪くなったりするし、良い趣味って難しいですねぇ。
専門が数学の方って、バロック好きな方が多い気がする!!!??